歴史
戸坂潤の名言・言葉11選
戸坂潤はどんな人?
東京出身。京都大学在学中に新カント学派の観念論哲学を研究したが、後にマルクス主義哲学へ転じ、唯物論研究会を創立した。治安維持法により1938年に検挙され、敗戦直前の八月九日に長野刑務所で獄死した。著書に『日本イデオロギー論』などがある。
名言と残された言葉
11件を表示中
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01教育
本を読んだかどうかを記憶する人ではなくて、本を読むことによって何を考えたか、を記憶する人が、本当の読者である。
- 意味
- 本当の読者とは、読んだという事実よりも、読書によって自分が何を考えたかを覚えている人である。
- 読み解き
- 記憶力の優劣を述べた言葉ではなく、読書を自分の思考につなげる姿勢を重視している。
- 背景
- 『読書法』で、読書に費やすのと同じだけの時間を、自分で考えることにも使うべきだと論じる。
出典:読書法 ↗
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02人生
本は読むためばかりではなく、見るためのものでもあるし、所有するためのものでもあるというのが、私の持論である。
- 意味
- 本には読むだけでなく、眺めたり手元に置いたりすることにも価値がある、というのが私の考えである。
- 読み解き
- 所有にも価値を認める持論だが、持つだけで読んだ場合と同じ価値になるとは述べていない。
- 背景
- 『読書法』で、すぐ読むためだけに本を買うのではないと述べ、読書と所有それぞれの価値を比較する。
出典:読書法 ↗
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03社会
文化は民衆の自主的なものでない限り、インチキであるという実感がいつとなく、わが国の思想をも捉え始めている。
- 意味
- 民衆自身の意思に基づかない文化はまがいものだという実感が、日本の思想にも広がり始めている。
- 読み解き
- 単に大勢に好まれることではなく、文化を担う民衆の自主性を判断の基準にしている。
- 背景
- 『読書法』で、出版の状況にも民衆の自主性を求める動きを認め、文化をごまかす者への批判を促す。
出典:読書法 ↗
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04自由
一頃猫も杓子も騒ぎ立てた本で、その後全く声も聞かなくなったような本を悠々と読んで見るなどは、中々痛快なものである。
読み方 杓子(しゃくし)・悠々(ゆうゆう)
- 意味
- 誰もが騒いだ後ですっかり話題にならなくなった本を、落ち着いて読んでみるのは痛快なことである。
- 読み解き
- 流行した本を否定するのではなく、評判に急かされず読む時期を自分で選ぶ楽しみを語る。
- 背景
- 『読書法』で、何でも読む意欲と、読む順序を自分の見識で決めることとの両立を説く。
出典:読書法 ↗
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05科学
真実な理論的思考は、社会的な現実に於て実践、検証、され得ねばならぬ。
- 意味
- 真に確かな理論的思考は、現実の社会で実践に移され、その確かさを検証できるものでなければならない。
- 読み解き
- すぐ役立つことだけを求める言葉ではなく、社会の現実で検証できることを理論に要求している。
- 背景
- 『技術的精神とは何か』で、社会での実践と検証による裏づけが、真実の現実性と実践的価値を支えると論じる。
出典:技術的精神とは何か ↗
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06思想
何が普遍妥当性という概念であるかよりも先に、普遍妥当性と云う概念は如何なる事態を指しているのかを見る必要がある。
読み方 普遍妥当性(ふへんだとうせい)
- 意味
- 普遍妥当性という概念の意味を論じる前に、それが実際にどのような事態を指すのかを確かめる必要がある。
- 読み解き
- 概念の検討を不要とするのではなく、その言葉が指す具体的な事態を先に確かめようとしている。
- 背景
- 『科学方法論』で、概念が指す事態を見落とすと、普遍妥当性も内容を顧みない形式的な概念になると論じる。
出典:科学方法論 ↗
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07思想
国語の違う諸民族が夫々使っている範疇体系は、之をお互いに翻訳しない以上決して国際的通用性を得ることは出来ない。
読み方 範疇体系(はんちゅうたいけい)
- 意味
- 異なる言語を使う諸民族の概念体系は、互いに翻訳しなければ、国際的に通用するものにはならない。
- 読み解き
- 翻訳の対象は個々の単語だけでなく、哲学を成り立たせる概念の体系にまで及んでいる。
- 背景
- 『思想としての文学』で、歴史上の翻訳と民族間の翻訳を関連づけ、哲学の概念体系が翻訳できる必要を説く。
出典:思想としての文学 ↗
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08科学
科学は科学以外の文化領域との連関に於て、初めて立体的に鳥瞰的に、サーヴェイ出来るのではないかと思う。
読み方 鳥瞰的(ちょうかんてき)
- 意味
- 科学は、科学以外の文化領域とのつながりを考えてこそ、多面的に全体を見渡せるのではないか。
- 読み解き
- 科学の個別研究を否定するのではなく、科学そのものの位置を知るために視野を広げている。
- 背景
- 『思想としての文学』で、科学と技術・社会生活・実在との関係を捉えるために、文化全体を見る視点を求める。
出典:思想としての文学 ↗
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09人格
新しい道徳は、習俗の不合理性を決算し、心情の非実際性を淘汰することによらなければ、決して育って行くことは出来ないだろう。
読み方 習俗(しゅうぞく)・淘汰(とうた)
- 意味
- 新しい道徳を育てるには、慣習の不合理さを清算し、心情のうち実際に適さないものを取り除く必要がある。
- 読み解き
- 道徳改善の一般論ではなく、戸坂の思想的立場から習俗と心情を批評する言葉。
- 背景
- 『思想としての文学』で、唯物論的・科学的な新道徳を開くことを、プロレタリア文学の課題として位置づける。
出典:思想としての文学 ↗
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10思想
科学的批評は党派的であるが故に、却って初めてイデオロギーを真理にまで促進する役割を果すことが出来る。
読み方 党派的(とうはてき)
- 意味
- 科学的な批評は、党派的な立場を取るからこそ、イデオロギーを真理へと進める役割を果たすことができる。
- 読み解き
- ここで肯定されるのはプロレタリア的階級性であり、党派的主張すべての正当化ではない。
- 背景
- 『イデオロギー概論』で、プロレタリア的な階級性は虚偽の原因ではなく、真理性の根拠になりうると論じる。
出典:イデオロギー概論 ↗
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11社会
日常生活は、仮にそれが公の生活ではなくて、個人の私的生活であっても、常に何か社会的な生活である。
- 意味
- 日常生活は、公的な活動でなく個人の私生活であっても、いつも何らかの社会的な関わりを持っている。
- 読み解き
- 私生活を公にせよという要求ではなく、私的な暮らしにも社会的関係があるという指摘である。
- 背景
- 『イデオロギー概論』で、ジャーナリズムが日々の生活に根ざすことを述べ、その生活の社会的性格を説明する。
出典:イデオロギー概論 ↗
出典と説明について
意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。