歴史
田山花袋の名言・言葉12選
田山花袋はどんな人?
田山花袋は小説家です。自然主義文学に関わり、芸術や社会と自己についても論じました。
名言と残された言葉
12件を表示中
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01人生
生死、恋愛、自然、さういふものに対しては、文明は決して決定的の進化を示してゐるものではない。
- 意味
- 文明が発達しても、生死や恋愛、自然に向き合う人間のあり方まで決定的に進歩するわけではない。
- 読み解き
- 文明の成果を全面否定する言葉ではなく、進歩という尺度の限界を指摘している。
- 背景
- 『自からを信ぜよ』で、文明の進歩という考え方を、生死や恋愛、自然との関係から問い直している。
出典:自からを信ぜよ ↗
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02社会
社会と自己との問題でも、社会の中にゐて、社会の万象に目や心や魂を捉へられてゐては、十分によく解釈することの出来ないものではないだらうか。
読み方 万象(ばんしょう)
- 意味
- 社会の出来事に目も心も奪われたままでは、社会と自分の関係を十分に理解できないのではないか。
- 読み解き
- 社会との関係を断つ勧めではなく、心を奪われることで生じる偏りへの問いである。
- 背景
- 『社会と自己』で、見聞きするものへの心の偏りと、距離を置いて世間を見る可能性を論じている。
出典:社会と自己 ↗
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03人生
人間は兎角自己の歩いて行く先だけを見て、その周囲や背後や頭上を見廻はさうとはしないものである。
読み方 兎角(とかく)
- 意味
- 人は目先の進む方向に気を取られ、自分を取り巻く状況や見落としているものに目を向けにくい。
- 読み解き
- 身体の向きについての注意ではなく、人間の関心や認識の偏りを表している。
- 背景
- 『自然』で、地震に驚き恐れる人間の姿を通して、前進ばかりに集中する視野の狭さを論じている。
出典:自然 ↗
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04自然
自然は恐るべきものでもないが、さうかと言つて、狎るべきものでもないといふ気がする。
- 意味
- 自然には、ただ恐れて遠ざかるのでも、親しみすぎて軽く扱うのでもない姿勢で向き合いたい。
- 読み解き
- 自然に危険がないという意味ではなく、恐怖や親しさだけで捉える姿勢を問い直している。
- 背景
- 『自然』で、地震を受けて自然の恐ろしさを説く見方を検討し、人間の評価を超える自然を考えている。
出典:自然 ↗
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05社会
地震の時のやうなああした相互扶助の心の状態で人間は常にゐられるものではない。しかし常にはゐなくとも、ああいふ心の状態に時々人間が置かれるといふことは決して無意味なこととは私には思はれない。善いわるいは別として必ず何等かの反応があると信ずる。
読み方 相互扶助(そうごふじょ)
- 意味
- 非常時の助け合いがいつも続かなくても、そうした経験は無意味ではなく、人に何らかの反応を残すと考える。
- 読み解き
- 必ず善くなるとは限らず、善悪を問わず何らかの反応があるというのが原文の留保。
- 背景
- 『自然』で、震災時の相互扶助もやがて忘れられるという悲観的な見方に答え、一時の経験の意味を考える。
出典:自然 ↗
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06芸術
いくらでも新しい言葉をつくり、新しい表現法を用ゐ、今の時代をあらはすに適当な結構を考へ出すべきである。
- 意味
- 今の時代を十分に表現するために、新しい言葉や表現方法、作品の構成を積極的に生み出すべきだ。
- 読み解き
- 目新しさだけを求める勧めではなく、時代を表す工夫と真剣な取り組みを求めている。
- 背景
- 『私の考へてゐる事』で、表現上の新しい試みを認めつつ、それに真面目に取り組むことを求めている。
出典:私の考へてゐる事 ↗
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07芸術
すぐれた作を生み出す努力も結構だが、細かに部分々々について研究し、感じ、描き出すことも大切である。
- 意味
- すぐれた作品全体を目指すとともに、細部をよく研究し、感じ取り、確かに表現することも欠かせない。
- 読み解き
- 大きな作品への挑戦を退ける言葉ではなく、その完成を支える細部の充実を説いている。
- 背景
- 『私の考へてゐる事』で、山や松の葉、衣服の襞などを例に、作品を支える部分の描写を論じている。
出典:私の考へてゐる事 ↗
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08芸術
いくら文壇の檜舞台に出たところで、その持つてゐるものに本当の価値がなければ、出たところで何の効もないものなのである。
読み方 檜舞台(ひのきぶたい)
- 意味
- 文壇で華々しく注目されても、自分の作品や力量に本当の価値が伴わなければ、その登場は実を結ばない。
- 読み解き
- 発表の機会そのものを否定せず、注目される場と実質的な価値を区別している。
- 背景
- 『私の考へてゐる事』で、文壇の大舞台に出ることの効用と、そこで失敗することの重さを論じている。
出典:私の考へてゐる事 ↗
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09教育
若い頃にはいくらあせつても、実人生のことには容易に本当に触れ得るものではないのである。
- 意味
- 若い時にいくら焦っても、実人生へ深く触れ、十分に理解することは容易ではないという見方。
- 読み解き
- 実体験を一律に否定するのでなく、若いうちに急いで世間へ出ることを必ずしも幸福とは見ない立場。
- 背景
- 『私の考へてゐる事』で、作家を目指す若者に読書・見学・論議を勧め、早すぎる実人生との接触が成長を狭める場合もあると説く。
出典:私の考へてゐる事 ↗
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10社会
私達はもつと若い人達の心を理解してやらなければならないし、若い人達もまたもつと私達の心を理解するやうに力めなければならない。
- 意味
- 年長者は若者の心を理解し、若者も年長者の心を理解するように、双方から努力する必要がある。
- 読み解き
- 若者だけに理解や服従を求める言葉ではなく、年長者にも同じ努力を課している。
- 背景
- 『解脱非解脱』で、世代間の反発を年齢差だけで片づけず、芸術を志す者同士の相互理解を求めている。
出典:解脱非解脱 ↗
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11人格
真面目を守本尊にして、驀地に進む形はまだ対世間である。
読み方 驀地(まっしぐら)
- 意味
- 真面目さを絶対のよりどころとして一途に進むだけでは、なお世間を意識する心から自由になれていない。
- 読み解き
- 誠実さを否定する言葉ではなく、真面目さを一つの堅い形に固定することを戒める。
- 背景
- 『解脱非解脱』で、世間を意識する態度を問い、笑いや冗談、滑稽の中にも真面目さを見いだすよう説く。
出典:解脱非解脱 ↗
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12思想
自己の中に悪を見たがために、他の中にも悪を見出さなければならなくなつたのである。
- 意味
- 自分の内面に悪を見て苦しむことが、他人の中にも同じ悪を見いださずにはいられない心につながった。
- 読み解き
- 他人の悪がすべて思い込みだという断定ではなく、自分の心が他者理解に及ぼす影響の省察。
- 背景
- 『心理の縦断と横断』で、自身の猜疑や嫉妬の苦しみを振り返り、それを他人にも見いだした過程を論じる。
出典:心理の縦断と横断 ↗
出典と説明について
意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。