歴史
坂口安吾の名言・言葉13選
坂口安吾はどんな人?
坂口安吾は小説家・評論家です。文学や文化、人間の生き方をめぐる文章を残しました。
名言と残された言葉
13件を表示中
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01思想
思想の文学は、人生を発明工夫して行く、いわば行動の文学でもある。
- 意味
- 思想をもつ文学は、人生のあり方を新たに考え出し、実際の生き方を切り開く営みである。
- 読み解き
- ここでいう行動は、人生や社会との関わりの中で生き方を工夫することを含む。
- 背景
- 『思想と文学』で、人生を工夫する文学を、時代や社会とのつながりから論じている。
出典:思想と文学 ↗
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02社会
より良き政治といつたところで、政治によつて真実人間の救はれることはあり得ない。
- 意味
- 政治を改善することだけでは、人間が抱える根本的な苦しみまで救いきることはできない。
- 読み解き
- 政治改善の必要性を否定する言葉ではなく、人間救済を政治に託しきる姿勢への批判。
- 背景
- 『通俗と変貌と』で、政治の発見以上に人間そのものの発見が大切だと述べている。
出典:通俗と変貌と ↗
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03芸術
淡々だの風格だのといふことによつて、対象にくひこむ深さが低ければ、文学の価値は低いのである。
- 意味
- 淡々とした作風や風格があっても、描く対象を深く捉えていなければ文学としての価値は低い。
- 読み解き
- 淡々とした文体そのものを否定せず、それを対象への深さに優先する評価を批判する。
- 背景
- 『通俗と変貌と』で、淡々とした描写を無条件に高く評価する文学観を批判している。
出典:通俗と変貌と ↗
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04芸術
たゞ読物は健康人のオモチャであり、文学は病人のオモチャだといふだけのこと、然し、この違ひだけはハッキリさせなければならぬ。 魂の病人とは何者か。たゞ、人間といふことだ。人間として生きてをり、自我を見つめて生きてをり、自我の真実な生き方を考へてゐる人であるにすぎない。
読み方 自我(じが)
- 意味
- 文学が向き合う「病人」とは、自我を見つめ、自分の真実な生き方を考える人間のことだと述べる。
- 読み解き
- 医学的な病気の有無で読者を分けるのではなく、自我や生き方へ向き合う人を「魂の病人」と呼んでいる。
- 背景
- 『通俗と変貌と』で、読物と文学を区別しつつ、文学を魂の気休めとなる玩具にたとえる。
出典:通俗と変貌と ↗
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05芸術
文学といふものは政治と違つて、こと人性に即したものであるから、戦争に負けたから変らなければならないといふ性質のものではない。
- 意味
- 文学は人間の性質に根ざす営みなので、敗戦という政治的な変化だけで変わるべきものではない。
- 読み解き
- 続く文では暴力による言論圧迫を別扱いしており、あらゆる責任の免除ではない。
- 背景
- 『通俗と変貌と』で、敗戦による文学の変化や、文学者の戦争責任をめぐる議論を検討する。
出典:通俗と変貌と ↗
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06芸術
文学の領域は言うまでもなく個人である。
- 意味
- 文学の根本的な対象は個人であり、一人ひとりの人間を離れて文学を成り立たせることはできない。
- 読み解き
- 個人は歴史から切り離された存在ではなく、変化の過程にある人間として捉えられている。
- 背景
- 『新らしき文学』で、歴史の中で変化する個人を起点に、文学の能動的な役割を論じる。
出典:新らしき文学 ↗
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07芸術
小説家の観念は言葉の形に於てのみ結晶するが、問題はあくまで「観念」であって、言葉そのものではない。
- 意味
- 小説の考えは言葉を通して形になるが、創作の核心は言葉の新しさより表そうとする考えにある。
- 読み解き
- 言葉の働きを軽視するのではなく、表現を生み出す考えの必然性を重んじている。
- 背景
- 『新らしき文学』で、言葉や形式の新しさだけを文学の本質とする見方を批判している。
出典:新らしき文学 ↗
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08人格
懐疑それ自身は別である、突きつめるところ、自信なく、且つ自己を主張せんとする因循な衒学的な気取りはもう私に必要でない。
読み方 因循(いんじゅん)・衒学(げんがく)
- 意味
- 疑うこと自体とは区別して、自信のなさを知識人らしい気取りで覆いながら自己主張する態度を退ける。
- 読み解き
- 懐疑そのものを捨てる宣言ではなく、懐疑を装った気取りへの自己批判である。
- 背景
- 『新らしき文学』の末尾で、自らの文学的主張を示し、身をもって行う仕事への確信を語る。
出典:新らしき文学 ↗
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09仕事
売文業でも、文章や言葉の筋だけは通らなければいかんもんだ。
読み方 売文業(ばいぶんぎょう)
- 意味
- 生活のために文章を書いているとしても、文章の論理や言葉の使い方には筋を通す責任がある。
- 読み解き
- ここで求める筋は文章と言葉の整合性であり、書き手の商業活動自体への否定ではない。
- 背景
- 『私は地下へもぐらない』で、自分について書かれた記事の表現を批判し、文筆業者の責任を説く。
出典:私は地下へもぐらない ↗
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10芸術
個性をとらへるとは、事実をとらへることだ。
- 意味
- 人の個性を伝えるには、漠然とした印象で語るのでなく、その人を示す具体的な事実を捉える必要がある。
- 読み解き
- 事実を並べれば足りるという意味ではなく、どの事実を捉えるかが技術上の課題となる。
- 背景
- 『相撲の放送』で、競技者の個性が伝わらない放送を批判し、事実を選び取る技術を論じる。
出典:相撲の放送 ↗
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11社会
物質を軽んじ、精神を重んじるという精神主義によって今日の社会の合理的な秩序をもとめることは不可能だ。
- 意味
- 物質的な条件を軽視して精神だけを尊ぶ考えでは、労働に正しく報いる合理的な社会秩序は築けない。
- 読み解き
- 精神的価値の否定ではなく、それを口実に物質的な報酬を軽んじる姿勢への批判。
- 背景
- 『安吾人生案内』で、労働に適切な報酬を与える秩序こそ、生活や礼儀の基礎になると論じる。
出典:安吾人生案内 ↗
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12社会
誰かの奉仕が必要だと認めた当人が先ず自ら奉仕し黙々とギセイ精神を発揮すべきだ、という当然の結論が分ってくる。
- 意味
- 他人の奉仕が必要だと言う人は、その犠牲を他人に求める前に、まず自分から引き受けるべきである。
- 読み解き
- 無償奉仕を一律に義務づける言葉ではなく、他人にだけ犠牲を要求する態度を問う。
- 背景
- 『安吾人生案内』で、村の発展を理由に若者へ犠牲的奉仕を求める言い分を批判している。
出典:安吾人生案内 ↗
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13社会
女の子は、とか、すべて男の子は、とか、全般的に言いきるのは哲学者かなんかのやることで、裁判官のやるべきことではなかろう。
- 意味
- 裁判官は男女を一括りにした一般論で結論を出さず、目の前の個別の事情に即して判断すべきである。
- 読み解き
- 哲学者への評価が中心ではなく、裁判で性別の一般論を個別判断に優先させる危険を指す。
- 背景
- 『安吾人生案内』で、男女についての一般的な仮説から個別の裁判の結論を導く論法を批判する。
出典:安吾人生案内 ↗
出典と説明について
意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。