明治・大正・昭和

新渡戸稲造の名言・言葉16選

新渡戸稲造はどんな人?

盛岡に生まれ、札幌農学校を卒業後にアメリカとドイツへ留学して農学・経済学を学んだ人物。英語で『BUSHIDO THE SOUL OF JAPAN』を出版し、第一高等学校校長や東京女子大学初代学長、国際連盟事務次長を務めた。

人物紹介:盛岡市先人記念館 ↗

名言と残された言葉

16件を表示中

  1. 01人生
    悪口に対する吾人の理想的態度は無言実行の弁解をもってすべきであると思う。

    読み方 吾人(ごじん)

    意味
    悪口に対する理想的な態度は、弁解せずに無言で実行することだ。日々の信用を保てば、非難されても自然に晴れる。
    読み解き
    弁解をしないことが最善の弁解になるという逆説的な発想に注目。
    背景
    『自警録』で、日常の信用を厚くする慎みの重要性を説き、非難への対処法として無言実行を勧める場面。

    出典:自警録 ↗

  2. 02人格
    他人の諫言忠告をいつでも容れる心の態度を有する者は真の大人、君子、英傑である。

    読み方 諫言(かんげん)

    意味
    他人の諫言や忠告をいつでも受け入れる心構えを持つ者が、真の大人・君子・英傑である。
    読み解き
    謙虚さを人格の条件とする点が、現代のリーダー論にも通じる。
    背景
    『自警録』で、人の心を想像力で準備し、卑近な教えでも受け入れれば実ると説き、諫鼓の故事を引く場面。

    出典:自警録 ↗

  3. 03教育
    之は少しく異端説かも知れないが、僕の考ふるところに據れば、教育は云ふに及ばず、又た學問とは、人格を高尚にすることを以て最上の目的とすべきものでは無いかと思ふ。

    読み方 據れば(よれば)

    意味
    少し異端かもしれないが、教育はもちろん学問も、人格を高尚にすることが最上の目的であるべきだ。
    読み解き
    学問と人格の分離を批判し、人格形成を学問の目的とする点が特徴的。
    背景
    『教育の目的』で、教育の第五の目的として、専門学者の反論を予期しつつ自説を述べる場面。

    出典:教育の目的 ↗

  4. 04社会
    人間は社會的の活物である、故に人間をソシアスとして教育することが、最も必要なりと確信するのである。

    読み方 活物(かつぶつ)

    意味
    人間は社会的な生き物であるから、社会の一員(ソシアス)として教育することが最も必要だと確信する。
    読み解き
    「ソシアス」という概念を用いて社会性涵養を説く点に注目。
    背景
    『教育の目的』で、人間の社会性を自覚し、封建制の名残を矯正する必要性を論じる場面。

    出典:教育の目的 ↗

  5. 05思想
    しかし自分の政府の為したことは、何事にもあれこれであるが如く認め、これに賛同しこれを助けることが果して真の愛国心であろうか。
    意味
    自分の政府の行為を何でも認め賛同することが真の愛国心なのか。是は是、非は非と判断すべきだ。
    読み解き
    政府への無批判な賛同を愛国心と混同しないよう警鐘を鳴らす。
    背景
    『真の愛国心』で、政府の行為を無条件に是認する態度に疑問を呈し、正義人道に適うことを重んじる場面。

    出典:真の愛国心 ↗

  6. 06社会
    世人はよく国際の関係には道徳なく、正義人道が行われないというものもあるが、我輩の見る所では、決してこれらのものが皆無であるということはない。

    読み方 皆無(かいむ)

    意味
    国際関係に道徳や正義人道が全くないという説もあるが、決して皆無ではなく、早晩それらで国が判断される時が来る。
    読み解き
    国際関係における道徳の可能性を信じる楽観的な視点が興味深い。
    背景
    『真の愛国心』で、国際関係における道徳・正義人道の不在を否定し、将来の判断基準になると論じる場面。

    出典:真の愛国心 ↗

  7. 07社会
    これからはモー一層広い階級否な階級的区別なき一般民衆の守るべき道こそ国の道徳でなくてはなるまい。

    読み方 否な(いな)

    意味
    これからは階級の区別のない一般民衆が守るべき道が国の道徳でなければならない。武士道は少数の士のものだった。
    読み解き
    武士道から平民道への移行を説く点で、新渡戸の思想の展開がうかがえる。
    背景
    『平民道』で、武士道が少数の士の道徳であったのに対し、階級なき一般民衆の道徳の必要性を説く場面。

    出典:平民道 ↗

  8. 08教育
    けだし学問の最大目的は人間を円満に発達せしむることである。
    意味
    学問の最大の目的は人間を円満に発達させることである。孤立した学者風の人物を生むのは間違いだ。
    読み解き
    学問の弊害としての孤立を戒め、調和的な人間形成を重視する。
    背景
    『教育の目的』で、学者風を気取る孤立した人物を批判し、学問の目的を人間の円満な発達と説く場面。

    出典:教育の目的 ↗

  9. 09教育
    教育はつとめて自由で、芸術を教ゆるよりは、その趣味理想の脳力を養うべきである。
    意味
    教育はもっと自由であるべきで、芸術を教えるよりも、趣味や理想を養う脳力を育てるべきだ。
    読み解き
    芸術の詰め込みより趣味・理想の涵養を優先する点が特徴的。
    背景
    『女子教育に就て』で、日本の教育が独逸に倣い規則的で学科過多になったことを批判し、自由な教育を説く場面。

    出典:女子教育に就て ↗

  10. 10教育
    学校にいる時に最注意することは、技術芸能でなくて人生の理想を養うことである。
    意味
    学校にいる時に最も注意すべきは、技術や芸能ではなく人生の理想を養うことだ。理想は学校でこそ得られる。
    読み解き
    技術習得より理想養成を学校の本質とする主張が際立つ。
    背景
    『女子教育に就て』で、大学卒業者の言葉を引き、技術より理想の涵養が学校の役割だと説く場面。

    出典:女子教育に就て ↗

  11. 11自由
    財産と生命が安固にして夜は戸を閉じなくとも高枕で眠り、他人と説を異にしていても大手を振って往来を闊歩する如きことこそ真の自由というものである。

    読み方 闊歩(かっぽ)

    意味
    財産と生命が安固で夜も戸を閉じずに眠れ、他人と意見を異にしても堂々と往来できることこそ真の自由だ。
    読み解き
    自由を放縦でなく社会的秩序と結びつける点が重要。
    背景
    『デモクラシーの要素』で、動物間の自由と区別し、社会的秩序に基づく真の自由を定義する場面。

    出典:デモクラシーの要素 ↗

  12. 12自由
    法律と風俗習慣とを守ってさえいれば自由であるかというに、それはやはり外部の自由だけであって、心底までその自由が徹底しているとはいわれない。

    読み方 然らば(しからば)

    意味
    法律や風俗を守っていれば自由かというと、それは外部の自由にすぎず、心底まで自由が徹底しているとは言えない。
    読み解き
    外面的自由と内面的自由の区別が、自由論の核心となっている。
    背景
    『自由の真髄』で、外部の規範への服従と内心の自由の違いを論じ、内面の自由の重要性を説く場面。

    出典:自由の真髄 ↗

  13. 13社会
    誇りとすべきことは必ずしも人種の純粋なる点ではない。
    意味
    誇るべきことは人種の純粋さではなく、他者の長所を吸収する包容力であり、国家の隆盛も人種の単一さによるものではない。
    読み解き
    人種純粋性への信仰を否定し、包容力を評価する点が現代的。
    背景
    『民族優勢説の危険』で、英国の例を引き、人種混合の利点を説き、純粋性を誇る考えを批判する場面。

    出典:民族優勢説の危険 ↗

  14. 14人生
    己れの為すべき事を為して天にも地にも愧じない人は、死を見ること帰るが如くなるべきで、これは古来の聖人君子の死方を観てもよく分る。

    読み方 愧じない(はじない)

    意味
    己の為すべきことを為し、天にも地にも恥じない人は、死を帰るが如くに迎えられる。古来の聖人君子の死に方からも分かる。
    読み解き
    死を恐れないことより、義務を果たすことが重要だと説く。
    背景
    『「死」の問題に対して』で、死の価値は生と義務で決まると説き、義務を果たした人の死に方を論じる場面。

    出典:「死」の問題に対して ↗

  15. 15人生
    生を重んずるというは生きて為すべき義務を重んずる意味である。

    読み方 重んずる(おもんずる)

    意味
    生を重んずるとは、生きて為すべき義務を重んずる意味である。死を恐れるのは生の義務を重んずる心の表れだ。
    読み解き
    死の恐怖を生の義務への畏れと解釈する独自の視点。
    背景
    『「死」の問題に対して』で、死の恐怖を生理現象でなく倫理的意味から捉え、生の義務と関連づける場面。

    出典:「死」の問題に対して ↗

  16. 16教育
    家庭に於ては夫婦喧嘩をなし、一杯機嫌で打擲をなして憚らず、而してその子弟を聖人たらしめよとは矛盾の甚しきものである。

    読み方 於て(おいて)・打擲(ちょうちゃく)・憚らず(はばからず)

    意味
    家庭で夫婦喧嘩をし、酒に酔って暴力を振るう親が、子弟を聖人にしようとするのは甚だしい矛盾である。
    読み解き
    家庭環境と徳育の矛盾を鋭く指摘し、教育の現実を批判する。
    背景
    『教育の最大目的』で、独逸の例を引きつつ、家庭内の不和と暴力が徳育を妨げる矛盾を批判する場面。

    出典:教育の最大目的 ↗

出典と説明について

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