歴史

中井正一の名言・言葉10選

中井正一はどんな人?

中井正一は美学や文化を論じた著述家です。映画、読書、図書館についての文章を残しました。

人物紹介:青空文庫・作家別作品リスト ↗

名言と残された言葉

10件を表示中

  1. 01社会
    一トン爆弾のエネルギーよりも、静かに流れている黙々たる上げ汐の隅田川の水の方が、はるかに大いなる力をもっているように、政治もまたそうである。

    読み方 上げ汐(あげしお)・黙々(もくもく)

    意味
    政治の大きな力は、目立つ激しさよりも、静かに長く積み重なって人々の暮らしを変える働きにある。
    読み解き
    爆弾と川の比較は政治の持続力を示す比喩であり、物理的な測定ではない。
    背景
    『図書館法の成立』で、義務教育の長期的な影響を踏まえ、文化を育てる政治の力を論じている。

    出典:図書館法の成立 ↗

  2. 02社会
    眼から火が出るような声でわめき立てている政治よりも、ひそかに通過して、百年の後に目には見えないが、いつの間にか、国民をやわらかい日光でつつむような幸せに人々を抱く政治が、一番立派で、そして温かい政治である。
    意味
    大声で目立つ政治より、長い年月をかけて人々の暮らしに幸せをもたらす静かな政治を大切にする。
    読み解き
    政治の価値を声の大きさや即効性だけで測らず、将来の生活を支える働きに見いだす。
    背景
    『図書館法の成立』で、すぐには目立たない法制度が長い年月の後に文化を育てる力を説く。

    出典:図書館法の成立 ↗

  3. 03社会
    ここでも、いつもありがちな自分だけよければよいという考え方は、何にもならず、かえって自分もまた駄目になってしまうことになるのである。
    意味
    自分だけの利益を追い求めても、周囲と支え合う基盤が損なわれれば、結局は自分も立ち行かなくなる。
    読み解き
    個人の希望一般への否定ではなく、文化を支える協力を壊す利己心への批判である。
    背景
    『図書館法の成立』で、文化の営みに残る抜け駆けの発想を批判し、自分本位の姿勢の行き詰まりを説く。

    出典:図書館法の成立 ↗

  4. 04社会
    毎日、日本の文化の壁ともいうべき良書が硫酸で焼け落ちつつあるではないか、この焚書時代を出現した心構えが、法隆寺を焼いたのである。

    読み方 焚書(ふんしょ)・法隆寺(ほうりゅうじ)

    意味
    良書が失われることを見過ごす文化への無関心は、貴重な文化財を守れない姿勢にもつながっている。
    読み解き
    火災の直接原因の説明ではなく、文化を軽視する姿勢への強い告発として読む。
    背景
    『図書館法楽屋話』で、良書が紙の原料として失われる状況と、文化財への対応に偏る行政を批判する。

    出典:図書館法楽屋話 ↗

  5. 05人生
    実践なるものには、過剰の意識を乗越えて、自分自身を追い抜くもの、自分自身を止めて見ているものを追い抜くものがなくてはならない。
    意味
    実際に行動するには、自分を見つめて考えすぎる状態を越え、それまでの自分の限界を踏み出す力が必要だ。
    読み解き
    あらゆる反省の放棄ではなく、行動を止めてしまう過剰な自己意識を問題にしている。
    背景
    『実践について』で、選挙運動中に競馬場で訴えた経験を振り返り、自己意識や批判と行動の関係を考える。

    出典:実践について ↗

  6. 06思想
    かくて、非民主主義時代の知識人は隷属的地位であるとともに、支配者によって、客観的真実及び大衆的幸福が拒否さるる可能性があるのである。

    読み方 隷属(れいぞく)

    意味
    民主主義を欠く体制では、知識人は支配者に従属し、真実や人々の幸福を追求する働きを阻まれうる。
    読み解き
    すべての知識人が真実を捨てるという断定ではなく、従属関係に伴う危険を指摘する。
    背景
    『知識と政治との遊離』で、支配者に使役される知識人の立場から、知識が政治を離れる理由を探る。

    出典:知識と政治との遊離 ↗

  7. 07思想
    自分が、ここに生きていると、えらそうな顔をしているけれども自分の身体の構造すら、はっきりわかっていないのである。
    意味
    自分の存在を当然のように受け止めていても、自分の身体さえ十分には理解していないことを自覚したい。
    読み解き
    身体についての知識を全面否定するのではなく、理解しきれない存在への自覚を促している。
    背景
    『映画と季感』で、身体や宇宙や花への理解の乏しさから、未知の存在に感じる美しさや愛おしさへ論を進める。

    出典:映画と季感 ↗

  8. 08教育
    教育こそは、大いなる現実の世界改革なのである。現実の営みが二十年後の世界を変えつつあるのである。
    意味
    今行う教育が、これから育つ世代を通して二十年後の世界を変えていくと考える。
    読み解き
    遠い理想だけを語るのでなく、今日の読書や教育という具体的な営みに社会を変える力を見る。
    背景
    『図書館法の成立』で、村々の子どもへ良い本を届ける図書館を、未来の社会を支える基礎として捉える。

    出典:図書館法の成立 ↗

  9. 09社会
    図書館が一つの網として、「はたらき」の網として、重々無尽の映し合う露々の玉として輝くとき、それははじめて生きてくるのである。
    意味
    図書館は一館だけで完結するより、互いの働きを結び、資料や知識を行き来させるときに力を発揮する。
    読み解き
    本の量や建物の広さだけでなく、図書館どうしの協力と流れを大切にする言葉。
    背景
    『野に山にかかる虹の橋』で、図書館どうしが目録や資料を共有し、地方の子どもや青年へ本を届ける構想を語る。

    出典:野に山にかかる虹の橋 ↗

  10. 10仕事
    われわれは機械時代に、決しておびえるものではない。この機械の中に沈みつつある人類を、機械を貫いて、これを制する、健やかなる闘いに、今、正に私達は立向いつつあるといえるであろう。
    意味
    機械に圧倒されるだけでなく、人間が機械を使いこなし、支配されない社会をつくろうとする。
    読み解き
    機械を無条件に礼賛するのでなく、人間のために機械を制御する取り組みを重んじる。
    背景
    『巨像を彫るもの』で、全国の図書館の網と図書館人の活動を、民族を封建の殻から引き離す巨像の制作にたとえる。

    出典:巨像を彫るもの ↗

出典と説明について

意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。