歴史

森鴎外の名言・言葉10選

森鴎外はどんな人?

森鴎外は小説家・軍医です。創作のほか、文学、歴史、翻訳についての文章も残しました。

人物紹介:青空文庫・作家別作品リスト ↗

名言と残された言葉

10件を表示中

  1. 01芸術
    わたくしは史料を調べて見て、其中に窺はれる「自然」を尊重する念を発した。

    読み方 窺はれる(うかがわれる)

    意味
    歴史を作品にする際には、史料から見えてくる出来事や人物のあり方を尊重したいと考える。
    読み解き
    ここでの「自然」は山川草木ではなく、史料にうかがえる事実の成り立ちを指す。
    背景
    『歴史其儘と歴史離れ』で、歴史小説において事実を自由に組み替える手法を避けた理由を述べている。

    出典:歴史其儘と歴史離れ ↗

  2. 02人生
    人の欲には限りがないから、銭を持ってみると、いくらあればよいという限界は見いだされないのである。
    意味
    人の欲望には終わりがなく、お金を手にしても、これだけあれば十分だという限度は定まりにくい。
    読み解き
    金銭の価値を否定するのではなく、所有額と満足が単純には比例しない点を述べる。
    背景
    『高瀬舟縁起』で、わずかな金銭を喜ぶ罪人の話から、財産を持つ喜びと欲望の限界を考えている。

    出典:高瀬舟縁起 ↗

  3. 03芸術
    小説脚本の翻譯は博言學的研究とは違ふ。一字一字に譯して、それを排列したからと云つて、それで能事畢ると云ふわけではない。

    読み方 博言學(はくげんがく)・能事畢る(のうじおわる)

    意味
    小説や戯曲の翻訳は、一語ずつ置き換えて並べただけでは完成しないという考え。
    読み解き
    原文の単語に対応する語を機械的に並べることと、文学作品を訳すことを区別している。
    背景
    『翻訳に就いて』で、自分の翻訳への批判に答え、文学の翻訳は言語研究と同じ基準では測れないと論じる。

    出典:翻訳に就いて ↗

  4. 04人格
    何事によらず、自分の出来ない方角のものに感服してゐて、それが出来ずじまひになるのが、性分であるらしい。

    読み方 性分(しょうぶん)

    意味
    自分にはできない種類の表現に感心し、それを望みながらも実現できずに終わるのが自分の性分らしい。
    読み解き
    著者自身の傾向を省みた言葉であり、憧れは必ず実現しないという一般論ではない。
    背景
    『俳句と云ふもの』で、気に入った句のように作りたいと願いながら、同じ方向の句を作れなかったと振り返る。

    出典:俳句と云ふもの ↗

  5. 05芸術
    自然主義ということを、こっちでも言っていたが、あれはただつとめて自然に触接するように書くというだけの意義と見て好い。

    読み方 触接(しょくせつ)

    意味
    文芸の自然主義は、現実にできるだけ直接触れながら書こうとする態度として理解すればよい。
    読み解き
    「自然」は草木や風景だけを指さず、作品が向き合う現実として読む必要がある。
    背景
    『文芸の主義』で、自然主義の意味を現実との接触に求め、それを芸術に必要な姿勢として説明している。

    出典:文芸の主義 ↗

  6. 06自由
    利己主義は倫理上に排斥しなくてはならない。個人主義という広い名の下に、いろいろな思想を籠めておいて、それを排斥しようとするのは乱暴である。

    読み方 排斥(はいせき)

    意味
    利己主義への倫理的な批判は認めても、個人主義という大きな名でさまざまな思想を一括して退けるべきではない。
    読み解き
    利己主義と個人主義を同一視せず、思想を広い名でひとまとめにする乱暴さを問題にする。
    背景
    『文芸の主義』で、個人主義という曖昧な呼び名によって芸術の自由を迫害する動きを批判する。

    出典:文芸の主義 ↗

  7. 07芸術
    芸術に主義というものは本来ないと思う。芸術そのものが一の大なる主義である。 それを傍から見て、個々別々の主義があるように思うに過ぎない。
    意味
    芸術を個別の主義で縛るより、芸術そのものを大きな営みとして捉えたいという考え。
    読み解き
    芸術に特定の教義を課す宣言ではなく、個々の主義への固定を避けようとする逆説的な表現。
    背景
    『文芸の主義』の冒頭で、芸術家が掲げた主義に縛られると、作品が窮屈になり得ると論じる。

    出典:文芸の主義 ↗

  8. 08自由
    学問の自由研究と芸術の自由発展とを妨げる国は栄えるはずがない。
    意味
    学問を自由に研究することや、芸術が自由に発展することを妨げる国には、繁栄は望めない。
    読み解き
    自由を国の繁栄に必要な条件とする主張であり、自由だけで繁栄するという保証ではない。
    背景
    『文芸の主義』で、芸術と思想上の主義との関係を論じ、研究と創作の自由を国の繁栄に結びつけている。

    出典:文芸の主義 ↗

  9. 09思想
    人間のする事の動機は縦横に交錯して伸びるサフランの葉の如く容易には自分にも分からない。

    読み方 如く(ごとく)

    意味
    人間が行動する理由は複雑に絡み合っているため、行動した本人にも簡単には理解できない。
    読み解き
    動機を一切考えられないという断定ではなく、利己か利他かの単純な分類を疑っている。
    背景
    『サフラン』で、鉢植えに水をやる行為が自分の楽しみのためか、植物への愛情かと自問している。

    出典:サフラン ↗

  10. 10人生
    人の口を顧みていると、一本の手の遣所もなくなる。

    読み方 顧みて(かえりみて)・遣所(やりどころ)

    意味
    他人が何と言うかを気にし続けていると、どのように行動すればよいか分からなくなってしまう。
    読み解き
    あらゆる助言を拒む勧めではなく、相反する評判に縛られて動けなくなることへの戒め。
    背景
    『サフラン』で、手を出せば弥次馬、引けば独善や冷淡と呼ばれるという、他人の批評のあり方を述べている。

    出典:サフラン ↗

出典と説明について

意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。