歴史

有島武郎の名言・言葉10選

有島武郎はどんな人?

有島武郎は小説家・評論家です。『小さき者へ』『惜みなく愛は奪う』などで、愛や個人と社会の関係を論じました。

人物紹介:青空文庫・作家別作品リスト ↗

名言と残された言葉

10件を表示中

  1. 01教育
    お前たちを愛する事を教えてくれたお前たちに私の要求するものは、ただ私の感謝を受取って貰いたいという事だけだ。
    意味
    子どもへの愛に親としての見返りを求めず、愛する喜びを教えてくれたことへの感謝だけを伝えたい。
    読み解き
    感謝を強要する言葉ではなく、親の愛を子どもの返礼と引き換えにしない表明。
    背景
    『小さき者へ』で、子どもたちへの永続する愛を語り、親への報酬や将来の扶養を求めない姿勢を示す。

    出典:小さき者へ ↗

  2. 02人格
    私の一生が如何に失敗であろうとも、又私が如何なる誘惑に打負けようとも、お前たちは私の足跡に不純な何物をも見出し得ないだけの事はする。
    意味
    人生で失敗し誘惑に負けることがあっても、子どもが歩みを振り返ったときに不純さを残さぬよう努める。
    読み解き
    失敗しないという約束ではない。弱さを認めながら、生き方の誠実さを守ろうとする。
    背景
    『小さき者へ』で、親として役目を尽くし、自分の後を生きる子どもに進路の手掛かりを残そうと誓う。

    出典:小さき者へ ↗

  3. 03人生
    人生を生きる以上人生に深入りしないものは災いである。
    意味
    生きている以上、悲しみを含む人生の現実に深く関わらず、表面だけを過ごすのは不幸なことだ。
    読み解き
    危険な経験を求める勧めではない。喪失を通じて人生への関わりが深まるという認識。
    背景
    『小さき者へ』で、母を失った悲しみが親子を生活の奥へ導き、生きる根を深めたことを語る。

    出典:小さき者へ ↗

  4. 04教育
    斃れた親を喰い尽して力を貯える獅子の子のように、力強く勇ましく私を振り捨てて人生に乗り出して行くがいい。

    読み方 斃れた(たおれた)

    意味
    子どもは親の生を自分の力に変え、親への気兼ねに縛られず、勇ましく自分の人生へ進んでほしい。
    読み解き
    獅子の比喩は親への加害の勧めではなく、親から自立して生きる力強さを表す。
    背景
    『小さき者へ』で、老いや衰えを迎える親のために、子どもの若い力が拘束されてはならないと説く。

    出典:小さき者へ ↗

  5. 05人生
    余力があってそれを用いぬのは努力ではないからである。
    意味
    まだ使える力があるのに歩みを止め、現状に安住する態度を、本当の努力と呼ぶことはできない。
    読み解き
    余力がある場合についての批判であり、疲労や限界を無視して働き続けよという意味ではない。
    背景
    『二つの道』で、異なる道の交点を安住の地とし、それ以上進もうとしない態度を批判する。

    出典:二つの道 ↗

  6. 06人生
    私は平安と共に進歩を欲する。潤色と共に創造を欲する。

    読み方 潤色(じゅんしょく)

    意味
    平安とともに進歩を、既存のものを飾り整えることとともに創造を求める。
    読み解き
    平安を捨てるという主張ではなく、安定と創造の双方を求める姿勢を表す。
    背景
    『惜みなく愛は奪う』で、社会が求める平安と、自分の内にある進歩・創造への衝動の関係を考える。

    出典:惜みなく愛は奪う ↗

  7. 07思想
    人間の本能――野獣の本能でもなく又天使の本能でもない――もその本能の全体に於て働かねばならぬ。
    意味
    人間の本能は、動物的な部分を切り捨てたり天使のように理想化したりせず、全体として働かせる必要がある。
    読み解き
    個々の欲望を無条件に実行せよという主張ではなく、本能を分断する見方への批判。
    背景
    『惜みなく愛は奪う』で、本能を分解して純粋な精神だけを作ろうとする考えを、現実から離れたものと批判する。

    出典:惜みなく愛は奪う ↗

  8. 08芸術
    私が創作の衝動に駆られて容赦なく自己を検察した時、見よ、そこには生気に充ち満ちた新しい世界が開展されたではないか。
    意味
    創作への衝動に従い、自分の内面を容赦なく調べることで、それまで知らなかった生き生きした世界が開けた。
    読み解き
    自己を責めること自体の賛美ではない。創作を通じた率直な自己観察の実りを語る。
    背景
    『惜みなく愛は奪う』で、創作による自己探究を振り返り、内面に多くの個性や人間生活の諸相を発見したと述べる。

    出典:惜みなく愛は奪う ↗

  9. 09社会
    生産の大本となる自然物、すなわち空気、水、土のごとき類のものは、人間全体で使用すべきもので、あるいはその使用の結果が人間全体に役立つよう仕向けられなければならないもので、一個人の利益ばかりのために、個人によって私有さるべきものではありません。

    読み方 私有(しゆう)

    意味
    空気や水、土地のような生産の基盤は、一人の利益だけに使わず、人間全体の役に立てるべきだと考える。
    読み解き
    自然物の共同利用と土地所有についての有島自身の考えを、農場解放の決断に結びつけた言葉。
    背景
    『小作人への告別』で、農場を小作人へ無償で譲り渡すに当たり、土地の私有に疑問を示す。

    出典:小作人への告別 ↗

  10. 10社会
    終わりに臨んで諸君の将来が、協力一致と相互扶助との観念によって導かれ、現代の悪制度の中にあっても、それに動かされないだけの堅固な基礎を作り、諸君の精神と生活とが、自然に周囲に働いて、周囲の状況をも変化する結果になるようにと祈ります。

    読み方 堅固(けんご)

    意味
    互いに協力し助け合う暮らしによって、不利な制度にも揺らがない基盤を築き、周囲の社会まで変えてほしい。
    読み解き
    制度の問題を個人の努力だけで解決せよという意味ではなく、共同生活の力への期待を表す。
    背景
    『小作人への告別』の結びで、農場を離れるに当たり、小作人たちの協力と相互扶助が生活と周囲を変えるよう願う。

    出典:小作人への告別 ↗

出典と説明について

意味・読み解き・背景にはAIを使用しています。引用は公開された翻刻本文と照合していますが、原本との逐字照合や専門家による校閲は行っていません。